振り返りノートの書き方

様々な経験を積むことは、人生においてとても大切です。
仕事で新しい課題に取り組むこと。
プライベートで知らない街を訪れてみること。
資格取得のために勉強すること。
毎日はたくさんの経験の積み重ねによって成ります。
経験は自己成長には欠かせません。
しかし、これらの経験が自身の成長に活かされているのか不安に感じたことはないでしょうか。
経験というのは目に見えないものの方が多いです。
いくら経験を積んでも、その成果が不透明だと気が重くなりますよね。

振り返りノートは、そういった不安を解消するツールの一つです。
単なる日記としてではなく、反省や分析を加えることで、より効率的な自己成長へ繋げることができます。
まずは、振り返りノートの利点や特徴を3つほど紹介します。

経験を知恵に変えられる

振り返りノートは、経験を学びへと変えることができます。
大切なのは、経験を単なる出来事で終わらせないことです。
経験にはそれに伴う教訓やノウハウが隠れています。
起きた事実をもとに、そこで得た学びを言語化してみましょう。
どれだけ些細なことであっても、自己成長の一助となることがあります。
学びは知恵として今後の生活で役に立つことでしょう。

課題の明確化

経験は幅広く着手することが肝心です。
しかし、時には失敗することもあります。
進めている内に漠然とした疑念がうまれることもあるでしょう。
振り返りノートには、そういったモヤモヤを思うままに書き出します。
文章に書き起すと、物事を客観的に捉えられるようになります。
そうすると、より正確に自身の現状を把握できます。
俯瞰的な視野から、おのずと明確な課題が見えてくるはずです。

自己肯定感の向上

努力維持にはモチベーションが必要です。
自己成長のために場数を踏みすぎて疲れることもありますよね。
がむしゃらに体験を増やしても、それが自身のステップアップに活かされているのか不安になってくるかと思います。
振り返りノートには成功したことや頑張ったことも記録してみましょう。
視覚的に成長を実感できると自信にも繋がります。
書ききったノートの冊数が増えると充足感が湧き、新たなことへ挑戦する活力にもなりますね。
自身の変化を身近に感じ、努力維持のモチベーションを保ちましょう。

次は、具体的な振り返りステップをご紹介します。

事実の記録

初めに、客観的な事実のみを書き出しましょう。
コツは感情を含めないことです。
事実をありのまま挙げていきましょう。
日時・場所・行動があれば十分です。
もっと細分化したい人は、5W1Hに沿って書いてみましょう。
これは物事を、いつ(when)・どこで(where)・だれが(who)・なにを(what)・なぜ(why)・どのように(how)、と区分する思考の型です。
事実は短文でも構いません。
表にすると見返す際に分かりやすいかもしれませんね。
表の簡易的なテンプレートがあれば、スムーズに記入することができるでしょう。

感情の書き出し

次に、それらの体験で感じていたことを書き出します。
ここでは思ったことを素直に書くことが重要です。
取り留めがなくても大丈夫です。
書ききった後に見返して、自分の本心を探り当ててみましょう。
そうすることで自己理解が深まります。
続けていれば、感情の起伏の一定のパターンが見つかるかもしれませんね。
自身がどういった時に嬉しいのか、悲しいのかなども見極めておくといいでしょう。

要因の分析

最後に要因を分析します。
ここで分析するのは失敗の要因だけではありません。
成功した場合もしっかりその要因を明らかにしておきましょう。
事実と感情を織り交ぜながら考えてみるのがポイントです。
事実のみを綴るだけでは自己理解が浅くなりますし、目先の感情ばかりに囚われると、正しいものの見方ができません。
ちょうどよいバランスを探してみましょう。なぜこうなったのか。
なぜこうなるのか。
再現するためには何が必要なのか。
なぜを突き詰めて、深く掘り下げてみましょう。

あわせて、書く際に役立つフレームワークを4つほど紹介します。

振り返りノートを持続させるために、書き方を自身に合ったスタイルへ変化させてみましょう。
また、用途や目標によって、書き方を効果的な形へ変えるのも良いですね。
その際にはぜひ、これから紹介するフレームワークを活用してみてください。

活用できる4つのフレームワーク

①KPT法
これは、Keep(続けること)・Problem(問題点)・Try(次にやること)の3つの視点から整理する手法です。
もっと簡単な言葉で説明すると、
Keep(よかったこと)
Problem(よくなかったこと)
Try(Kを向上し、Pを改善するための取り組み)
の区分になります。
まずは、事柄をKeepとProblemに分ける作業から始めます。
Problem(よくなかったこと)には目標達成に対して効果がなかったことも区分してください。
また、keep(よかったこと)には、なぜそれが成功したのかも付け加えてみるといいですね。区分が終わったら、Tryを考えてみましょう。
TryはKeepとProblemを踏まえた改善策となります。Keep(よかったこと)にプラスする取り組みを考えましょう。
また、Problem(よくなかったこと)を改善する手立ても挙げてください。
改善策には、柔軟な発想と確かな根拠が必要です。
そして、Tryをスタートさせ、一定の周期後に改めてKとPに振り分けます。
この繰り返しが、KPT法です。

②PDCAサイクル
PDCAサイクルとは、
Plan(目標設定と行動)

Do(実行)

Check(評価)

Action(改善行動)
に繋げる手法です。 

Plan(目標設定と行動)では目標を立てましょう。
そしてそれを達成するための計画を練ります。
目標はざっくばらんでなく、明確な達成の値を定めましょう。
そうすることで、目標達成までのプロセスが作りやすくなります。
また、目標は論理的な根拠を反映させたものにしましょう。
成功させるビジョンが見えるものが良いです。
Planが立てられたら、次はDo(実行)です。
計画を実行に移してください。
終わったら、Check(評価)に入ります。
Checkでは実行した内容と結果をまとめます。
そのまま事実のみをまとめるのではなく、実行内容の分析を加えてください。
なぜそうなったのか、要因を特定するのです。
そこで得た情報が、Action(改善)へ繋がります。
ここでは、Checkでの検証を基に、これからの対策と改善を検討します。
PDCAサイクルはこの繰り返しです。
回数を増やすごとにブラッシュアップされ、より良い循環となっていくでしょう。

③YWT法
YWT法は、
Yatta(やったこと)
Wakatta(わかったこと)
Tsugi(つぎにやること)
で構造的に振り返る手法です。
Yatta(やったこと)では、言葉通り、実行したことを書きます。
事実はできるだけ正確にあげてください。
スピード感が重視されるので、文章でなく箇条書きの方が向いているかもしれませんね。
ここでは、主観的な要素はあえて省いてください。Yattaが終われば、次はWakatta(わかったこと)です。
Yattaから得た学びを書き出してみましょう。
気づいたことをそのまま書いてみてください。
自分が思ったことをありのままに書いていけば、Tsugi(つぎにやること)が見えてくるはずです。
Tsugi(つぎにやること)では、Wakatta(わかったこと)を活かした次の策を考えます。
複数でも構いません。
いくつもあげて、後で取捨選択していくのも一つの手です。
出し切れたら、このYWTの連なりを一つのセットにしましょう。
YWT法はこのセットをできるだけ数多く出していく手法になります。
重く考えすぎず、気軽な気持ちでいくつも挙げていきましょう。
思考をすべて文字に出すと、頭の中が整理されて冴えていきます。
これまでになかった発想や新たな視点を得ることができます。

このように、振り返りノートの書き方は多種多様です。
無理をせずに持続して取り組み続けられる書き方を模索してみましょう。
慣れるまでは時間がかかりますが、習慣化するとすいすい書いていくことができます。
はじめは軽い気持ちで気楽に書き出してくださいね。

次は、振り返りノートを使う具体的な場面を挙げていきます。

振り返りノートを活かせる場面

仕事
仕事では効率的な生産性が求められます。
ステップは効率的に、見通しは広く、失敗は少なくしたいですよね。
しかし、唐突なアクシデントによって、上手くいかないこともあります。
そういった時は、気に病まず、すぐに切り替えて、改善策を思案する方向に移りましょう。
失敗した後悔や心のわだかまりは紙に書いて取り除きます。
ノートにまとめることで現状を認識するとともに、次の展開を意識することができますね。
反省と分析を書いて残しておけば、将来何かで困った際の対処法として見返すこともできるので、おすすめです。

学習
振り返りノートは学習にも使えます。
テスト後の反省点の記録に使ってみましょう。
テストの記憶がはっきりしている内に取り掛かれると特に良いですね。
また、反省点だけでなく、今後の復習の計画を立てるのにも使ってみてください。
今の自分の弱点を認識できると、それを克服する勉強方法を取り入れられます。
受験や資格取得は積み重ねが合格の鍵となります。
成果はすぐに出ませんが、コツコツ毎日取り組むことで芽がでてくるのです。
ノートのページが進むと、自身の努力を顕著に感じて勉強が楽しくなっていきます。
自分のペースで取り組んでみてくださいね。

日常
悲しい場面や辛い局面に差し掛かって、落ち込んでしまうこともありますよね。
気分が下がると体調に影響が出てしまうかもしれません。
加えて、新しいことへチャレンジすることが億劫になり、日々の彩りが減ってしまいます。
ここでの振り返りノートには、良かったことや成功体験を記録しましょう。
心が重くなった時に見返して気持ちを高めることができます。
自己肯定感がアップすると活力が戻り、心身ともに意欲的になります。
自分のことをたくさん褒めてあげてくださいね。
好きな歌の歌詞や元気の貰える格言などを書いてみてもいいですね。
自分を勇気づけるための振り返りノートにしてみてください。

まとめ

振り返りノートは日記とは少し違います。
起きた事実だけでなく、そこから得た学びをこれからの成長に繋げることのできるノートです。
仕事・学習・日常以外でも使用できる場面はたくさんあります。
重ねていくほどに効果があるので、積み重ねを意識して取り組んでみましょう。
どんな体験であっても書き留めて残してみてください。
また、書く方法も工夫してみるといいですね。
ペンだけでなく、お気に入りのスタンプやシールでページを装飾してみてみましょう。
続けていくのが楽しくなると、苦に感じず継続して取り組むことができます。
自身の経験を、振り返りノートで活かし、それを元に経験を増やしていく。
その循環ができると一気に自身を成長させることができるかもしれません。
振り返りノートは自己成長への一つの糸口です。ぜひ初めてみてください。

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