
活かす」メモの取り方-ノートの活用法
「あれ、この前の会議の決定事項、なんだったっけ?」
日々の業務に追われる中で、そんなふうに焦った経験、あなたにもありませんか?
話に夢中になり、メモを取るのを忘れてしまったり、後から見返しても何が重要だったか思い出せなかったり。
多忙なビジネスパーソンにとって、こうした「うっかり」は信頼を失いかねない大きな問題です。
でも、安心してください。
その解決策は、意外と身近なところにあります。
それは、ただ記録するだけでなく「活かす」ためのメモ術です。
メモは、単なる情報の記録ではありません。
仕事の効率を劇的に向上させ、あなたのパフォーマンスを最大限に引き出す、強力な武器なのです。
この記事では、会議や日々のタスク管理に役立つ効果的なメモ術から、手書きとデジタルの賢い使い分けまで、あなたのビジネスライフをより豊かにするヒントをお届けします。
なぜ、今さら「メモ」が重要なのか?
「メモなんて、誰でもできる」と思っていませんか?
しかし、その小さな行動が、あなたの仕事のパフォーマンスを大きく高めてくれるのです。
まずは、メモを取ることで得られる3つの大きなメリットを見ていきましょう。
1. 記憶の定着・信頼の獲得
人は、聞いたことのすべてを完璧に記憶することはできません。
しかし、聞いた内容を自分の手で書き出すことで、脳が情報を整理し、より記憶に残りやすくなります。
たとえば、会議で重要な決定事項をメモしておくだけで、後から「どうだったっけ?」と悩む時間がなくなります。
また、メモを取ることで、相手の話をしっかりと聞いているという印象を与え相手の信頼を得やすくなります。

2. 思考の整理
頭の中にたくさんのアイデアや情報が散らかっていると、何をどうすればいいのかわからなくなってしまいます。
そんなとき、それらをメモに書き出すことによって、自分の考えが可視化され考えやすくなります。
複雑に入り組んだ問題も、一つひとつの要素を書き出すことで整理され、解決への道筋が見えてくるはずです。

3. ミスの防止
仕事の抜け漏れは、信頼を失う大きな原因となります。会議で決まったこと、上司から頼まれたこと、同僚に伝えたことなど、重要な事項をメモに書き残しておくことで、うっかりミスを防ぐことができます。
状況別・効果的なメモの取り方
メモの重要性がわかったところで、次は具体的な状況に合わせたメモの取り方を見ていきましょう。
会議中のメモ:議事録ではなく、「ToDo」と「決定事項」を簡潔に

会議で一番大切なのは、議論の内容をすべて書き写すことではありません。それでは書くことばかりに注意が集中してしまい、議論の肝心な部分を聞き逃してしまう可能性があります。 会議中のメモは、重要な決定事項やToDoを簡潔にまとめることを意識しましょう 。
先日、新しいプロジェクトの企画会議で議論が白熱し、ToDoも山のように出ました。
私は「〇〇さんが資料作成」「〇〇さんが市場調査を〇〇日まで」というように、担当者とタスク、期限を箇条書きでメモ。
会議後、そのメモを見返すと、自分のやるべきことが明確になりすぐに取り掛かることができました。
勉強中のメモ:ただ書き写すのではなく、「自分の言葉で要約」
教科書や参考書の内容をそのままノートに書き写しただけではその内容はなかなか頭には入りません。
理解を深めるためには、重要なポイントを要約し、自分の言葉で書き直すというアクションが必要です。
それを行うことにより、自分の理解度を確認することができます。
アイデアメモ:断片的でもOK。「素早く書き留める」

「ふと」思いついたアイデアは、すぐに消えてしまうものです。
場所や状況を問わず、思いついた瞬間に断片的でもいいので素早く書き留める癖をつけましょう。
そして、余白は多い目に取るようにしてください。
そうすることにより、後から思いついた内容や補足説明をどんどんと書き足したりその後の行動計画を記入したりすることができ、アイデアを実現するための行動に移りやすくなります。
メモを「活かす」ための整理術
書いたメモをただ溜め込むだけでは意味がありません。
メモを最大限に活用するためには、整理術も重要です。
1. 日付とタイトルを必ず書く

見返したときに、何のメモかすぐわかるように、必ず日付とタイトルを書きましょう 。例えば、「〇月〇日 経営会議」「〇〇プロジェクト アイデア出し」など、一目で内容がわかるようにすることで、後から探しやすくなります。
2. インデックス(目次)を作る
複数のノートやメモがある場合、テーマごとに管理することで、必要なメモをすぐに見つけ出すことができます。
インデックス(目次)を作ることで、複数のメモをテーマごとに管理し、検索しやすくなります。
3. 定期的な見直し
書いたメモをそのままにしていませんか?
定期的にメモを見返すことで、仕事の抜け漏れを防ぎ、埋もれてしまいそうになっていたアイデアを思い出したり新しい気づきや行動につなげることができます。
週に一度、あるいは月末など、定期的にこれまでに書いたメモを見直す時間を作りましょう。
手書きとデジタルの賢い使い分け
さて、ここで一つの疑問が浮かびます。「メモは手書きがいいの?それともデジタルがいいの?」という点です。
どちらにもメリットとデメリットがあり、状況に応じて使い分けることが大切です。
手書きのメリット
①思考がまとまりやすい: 手を動かして書くことで、脳が活性化し、思考が整理されやすくなります。
②アイデア出しや図解に向いている: 自由な形で書けるため、アイデアのブレインストーミングや、図やイラストを交えたメモに適しています。

デジタルのメリット
①検索性が高い: 書いたメモをキーワードで検索できるため、膨大な情報の中から必要なものを素早く見つけ出せます。
②アクセス・共有が簡単: 複数のデバイスからアクセスでき、チームメンバーとの共有も簡単です。

日常の簡単なメモやアイデア出しには手書きのノートを、チーム内での情報共有や後から検索する可能性が高いメモはデジタルツールを使うなど、状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。
まとめ
今日からあなたの「仕事ノート」が、単なるメモ帳から最高の「相棒」に変わります。
ご紹介したメモ術は、特別な道具も才能も必要ありません。
必要なのは、少しの意識と、メモを「活かす」という視点だけです。
会議で重要なポイントを簡潔にメモする、思いついたアイデアをすばやく書き留める、そしてそれを後から見直す。この小さな習慣を始めるだけで、あなたは周りの人の信頼を得ることができ、そして日々のタスク管理が格段に楽になることを実感するでしょう。
メモを取ることは、あなたの思考を整理し、ミスを減らすだけでなく、新たなアイデアやひらめきを生み出す力にもなります。
さあ、今すぐ手元にあるノートを開いてみましょう。
たった一行のメモが、あなたの未来を変える第一歩となるはずです。